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インフラを整えるだけでは企業は絶対にこない 徳島県神山町



インフラを整えるだけでは企業は絶対にこない
いいね!自治体●徳島県神山町
篠原 匡=日経ビジネスクロスメディア編集長2015/02/02 00:00

kamiyama1 硬い、遅い、補助金頼みという、これまでのイメージを覆す特色ある自治体を紹介するコラム。今回は徳島県神山町を取り上げる。中山間地にあり、有名な観光スポットがあるわけでもない。それなのに若者やクリエイターが集まってくるわけとは何か。その秘密を探る。(リアル開発会議)

都市への一極集中が進む中、人口流出や超高齢化に直面している日本のローカルをどのように持続・発展させていくのか。その中で、ひときわ注目を集めているのが徳島県神山町だ。

吉野川の支流、鮎喰川に開けた小さな町で、町の面積の大半を山と森に囲まれている。人口は6000人超。高齢化率も46%と極めて高く、日本生産性本部の日本創成会議・人口減少問題検討分科会(座長・増田寛也元総務相)による「消滅自治体リスト」でもその名が上位で上がるなど、少子化と高齢化に苦しむ中山間地の典型と言える存在だ。

ところが、ここ数年、神山は移住者の増加に沸いている。

この5年で67世帯、113人が神山町に移住した。若者世代の移住が多く、、30代までが約8割を占める。移住者の増加に伴って、店舗や施設のオープンも相次ぎ、ここ数年を見ても、パン屋やカフェ、歯医者、ビストロ、図書館などが神山に誕生した。この1~2年の動きは特に激しく、神山を訪れるたびに新しい店舗や施設ができている。

神山には、全国的に有名な観光スポットがあるわけではない。全国を見れば、神山よりも美しいところはいくらでもある。それでも、引き寄せられるように若者やクリエイターなどが神山に集まっていく。

なぜ神山に若者世代が集まるのか

なぜ神山に若者世代が集まるのか─。その理由は一つではないが、大きな要素として考えられているのは、NPOグリーンバレーが進めるサテライトオフィス事業である。

サテライトオフィスとは、空き家の古民家を活用したローカル拠点のこと。名刺管理サービスを提供しているSansanが2010年10月に「神山ラボ」を開設して以来、これまで10社以上がサテライトオフィスを設けた。ヤフーなど大手IT企業の社員が短期滞在で訪れることもしばしばで、空き家として放置されていた古民家が続々とオフィスに姿を変えている。


サテライトオフィスの一つとして注目を集める「えんがわオフィス」(上)。視察者の出入りが相次いでいるが、社員は気にせず仕事している(下)(写真:宮嶋康彦)

サテライトオフィスがここまでの大きな動きになったのには、いくつかの要因がある。

一つは神山の抜群のIT環境だ。その町並みからは想像もできないが、神山は全国でも屈指のITインフラを誇る。徳島県の飯泉嘉門知事が情報化に熱心で、2000年代半ば以降、県内全域に光ファイバー網を整備した。当初は「投資過多」との声が上がっていたが、この恵まれた通信環境がIT企業、特に動画コンテンツを扱う企業を惹きつける。

もう一つは、働き方や付加価値創造における企業サイドの考え方の変化だ。

「シリコンバレーの働き方を見て以来、東京のオフィスビルにずっといてクリエイティブな仕事ができるのか、という疑問はずっと持っていた」

Sansanの寺田親弘社長がこう振り返るように、同社が神山にサテライトオフィスを設立したのは、都心のオフィスに通って仕事をするという日本的な働き方を変えたいという強い思いがあったからだ。

大学卒業後、三井物産に入社した寺田社長は2001年にシリコンバレーに赴任した。三井物産が出資したベンチャー企業に送り込まれたのだ。ここで、寺田社長はシリコンバレーの自由な働き方に魅せられる。

米国のシリコンバレーは自然豊かな土地柄だ。しかも、社員は皆ハードワークだが、働き方も時間の使い方も社員の裁量に任されている。あくまでもシリコンバレーに優秀な人材が集まっていることが大前提だが、あの豊かな自然と自由な働き方が、社員の創造性を刺激していると寺田社長は感じたのだ。

20年以上もの活動を続けてきたNPOの存在がカギに

 もちろん、サテライトオフィスを運営するグリーンバレーが果たす役割も大きい。

サテライトオフィスという仕組みをうまく回すためには、地域内の空き家を把握するだけでなく、賃貸可能な物件かどうかを判断したり、地権者に話を通したり、東京から訪れるサテライトの社員が地域で孤立しないようにサポートしたり、と様々なケアが必要になる。こうした細々としたことを、役所がすべて面倒を見るのはリソースからも難しい。

一方で、グリーンバレーは前身の組織を含め、20年以上も地域活動を続けている。しかも、2006年以降は徳島県が設置した移住交流支援センターの運営を引き受けており、神山の空き家や地権者を熟知している。サテライトオフィス自体は空き家対策の変形版だが、地域に精通したグリーンバレーがいなければ、ここまでうまくは回らなかっただろう。

それ以外にも、神山固有の要因はいくつかある。例えば、神山には四国八十八カ所霊場第十二番札所の焼山寺があり、古くからお遍路が町を行き来していた。彼らに対して飲食物を施すお接待の文化も残っており、見ず知らずの人に対する抵抗感が少ない。それが、よそ者に優しい雰囲気をつくり上げている。

こうしてみると、サテライトオフィスがうまく機能した前提として充実したITインフラがあるのは間違いないが、グリーンバレーの存在や町の雰囲気などが絶妙に組み合わさっていることが分かる。

今後、全国的に似たような取り組みが相次ぐかもしれないが、インフラを整えるだけでは不十分だ。企業や移住者に対する支援やよそ者に対するホスピタリティーなどソフト面も併せて充実させる必要がある。グリーンバレーはそこに20年以上の年月を費やしているのだから。

徳島県神山町




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