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東京・秋葉原の日本百貨店しょくひん館の中にテナント出店という形態をとって滋賀県のアンテナショップがオープン



地域のアンテナショップ ヒット創出へ「感度向上」
日経BPヒット総合研究所

96958A9F889DEBE3E5EBE7E7E2E2E3E4E2EBE0E2E3E7E2E2E2E2E2E2-DSXZZO9179553016092015000000-PB1-5 2015年9月13日、東京・秋葉原の駅近く山手線の高架下に滋賀県のアンテナショップがオープンした。三日月大造 滋賀県知事の鏡びらきやタレントのトークショーなどに通行人も足を止め、大いに盛り上がりをみせた(図1、図2)

このアンテナショップは、都内各地にある同種の店と違い、全国各地のご当地商品を扱う日本百貨店しょくひん館の中にテナント出店という形態をとっている。これまでアンテナショップのメッカである有楽町の交通会館に出店していた滋賀県が、なぜ、一民間企業の店舗内にわざわざ新店舗を開いたのだろうか。

東京都千代田区神田練塀町8-2

 

アンテナショップは本来、県や町など自治体や地域の商工会が、地元の産品が東京という大都市の市場でどのような競争力を持つかを調べる役割を持っている。加工商品や生鮮食料品、工芸品の販売が中心で、観光案内所やレストラン、イートインコーナーなども併設されているケースが多い。

人気が高い北海道や沖縄のアンテナショップでは、常連客が3割程度いて、普段使いの野菜や食料品を買いに来るという(図3)。他の地域から東京に来ている観光客が訪れるケースも多い。

都内のアンテナショップは、繁華街のいくつかのエリアにまとまっている。有楽町銀座エリアには、北海道、沖縄県、高知県、富山県、長野県、兵庫県、和歌山県など多数ある。日本橋エリアには三重県、奈良県、山口県など。新橋エリアには、鳥取・岡山、香川・徳島の複合店などがある。このほか、京都府、北海道、福嶋、山形、和歌山などが集まる東京駅近辺の八重洲エリアがある(図4、図5)。

青森県(飯田橋)、新潟県(表参道)、宮城県(池袋)、宮崎県(新宿)など、他とは群れず、独自の道を行くところもある。

■数億円の赤字の店も

決して出店コストが安くない繁華街に出店するのは、地域のブランドを広く知らせたいという告知目的に加え、個々の商品の市場での評判を聞くことで、商品改良やブラッシュアップにつなげる情報を収集したい意図がある。また、東京の他の流通業者のバイヤーに対して売りこむショールームと商談の拠点とする目的もある。

ただ、純粋に1つの小売店として見ると、その特性上、不利な点が多くある。地域をまたいで仕入れができないため売れる品物に偏りがある。地域の事業者の支援という性格上、事業者間で販促に差を付けられない。東京までの運賃が上乗せされるため、価格競争力がない。生鮮食品は、小口での物流になるため、宅配便を使うこともコストアップ要因だ。

このため、一等地の賃料コストもあって、大半が赤字の状態。なかには年間数億の赤字を出しているところもあるという。

■競合品に対する評価が分かる

それでも、地域の産品が将来、持続的に売れればやる意義はある。目先の売り上げではなく、長期的な地域振興に役立つためには、商品改良が欠かせない。ところが一般に、アンテナショップの運営を受託する業者には、数値管理がしやすい目先の販売力の強化を求められることが多く、なかなか情報収集やバイヤーマッチングをしている余裕がない。

商品改良に関する情報収集については、先に挙げたような構造的に抱える不利な点があるため、商品の競争力を上げるために何が必要なのか、売れないのは何が原因なのかを個別に抽出することは難しい。

個々の商品の持つ競争力をチェックするためには、少なくとも各地の同種の商品のなかでどれくらい売れるのかを知る必要がある。

今回、滋賀県が各地の商品を扱う日本百貨店の中に出店したのにはこうした狙いがある。酒、レトルト食品、菓子など自県の商品が、他のエリアの同じカテゴリーの競合品に比べて客層や評価にどのような違いがあるのか、商品改良に必須なこうしたデータは単独のアンテナショップでは採りようがない。

現在、日本百貨店の中では徳島県、静岡県をはじめ、岡山県、岐阜県、福井県、秋田県などが公式にアンテナショップを展開している。

今後、地方発のヒット商品が次々と開発されていくためには、アンテナショップのアンテナの感度向上が一段と求められてくるだろう。





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